時計は良いモノを永く、
直しながら使うことが基本
吉原商店街の「太田屋時計店」は昭和8年創業以来、65年以上の歴史を誇る時計の専門店だ。
ご主人の2代目店主、山口衛さんと奥様が暖かく迎える店内には、国産から輸入品まで、4〜500種類の時計が並ぶ。また、時計だけでなく眼鏡や宝石、ライター、補聴器も扱っている。
特に時計の修理に関しては、ひじょうに心強い。プロの資格を持つ山口さんは、メーカー任せではなく、可能な限り店内で直してしまう。簡単な故障ならその場で直るのだ。しかし、このような資格を持った店は全国的にも数が少なくなっているらしい。
おすすめは、グランドセイコーやロレックスといった、いわゆる「良い時計」だ。今や、安価な時計は使い捨てといった風潮だが、良いモノを永く、直しながら使うことが時計の基本。良い時計とそうでない時計、車に例えるならメルセデスと軽自動車。同じ道を同じ速度で、同じ目的地に行くことは可能でも、走りや乗り心地や安心感が違うように、良い時計は所有する喜びや満足感が大いに異なるものだ。
また、プロの目から見ても、良いモノは修理するときにも緊張すると言う。
大切に使ってきた良い時計が不調なとき、気軽に面倒を見てもらえる「太田屋時計店」のような主治医がいれば、これからも安心して使い続けることができるはずだ。
(吉原宿かわら版1998/09/01号から)
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